志賀直哉の「菰野」を行く


 5月13日、役場庁舎から湯の山に向けてバスが発車しました。これは三重県生涯学習センターと町教育委員会が共催で開催したもので、文豪志賀直哉の著書、小説「菰野」の舞台となった湯の山の旅館「寿亭」を訪れ、その足跡をたどろうというものでした。その由緒ある旧館、水雲閣に143名の応募者から抽選で選ばれた43名が集まり、近代日本文学研究家の河原徳子さんから話を聞きました。小説「菰野」は、直哉が50歳(昭和8年)のとき、この寿亭の「松仙閣」に逗留して、弟の直三の破産事件にまつわる話を題材にして書かれたもので、湯の山沿線にある菰野城の石垣のことなど、菰野の懐かしい風景が描写されています。河原さんは講座の中で、「直哉はこのとき、悩みごとが多くスランプの時期を迎えていた。しかし、才媛の女将、葛谷寿子に出会い、その心の交流のうちに気持ちがふっきれて、名作、「暗夜行路」を速やかに完成させる大きなきっかけとなった。湯の山逗留は、志賀文学を語る上で重要な位置を占めている」と話されました。また、この講演の後、河原さんは、「全国的にも知名度抜群の志賀直哉であることから、湯の山温泉を文学的な観点から、観光面で広くアピールできる大きな資源になりうる」と熱っぽく語られ、「直哉自身も小説の題名を『菰野』としたことから、菰野に対する思い入れが強かったはずだ」と話されました。
 最後に受講生は、寿亭本館の南側の散策道沿いに位置するその松仙閣を見学し、直哉と昭和初期当時の湯の山の風情について思いをはせ、粛粛と降る雨が、かえってそのノスタルジアを増幅させていました。

水雲閣の一室
 講義が行われた水雲閣の一室。昭和天皇が宿泊されたこともある、歴史を感じさせる静かな部屋です。

志賀直哉が逗留した松仙閣
志賀直哉が逗留した松仙閣


 
区長会定期総会を開催


 4月21日役場本庁の大会議室で、平成18年度の菰野町区長会定期総会が開催されました。会議の冒頭に矢田会長から、「災害時の対応や、町が進める行政改革について、地域としても町と協力しながら何をしていくべきか、十分考えていく必要がある」とあいさつがあり、服部町長からは平成18年度の当初予算の概要を説明しながら、日ごろの協力へのお礼が述べられました。議事では平成17年度の事業報告、会計収支決算、平成18年度の事業計画、会計収支予算が承認されました。

菰野町区長会定期総会


ロープウエイから町民ご招待の目録贈呈

 先月号でご紹介した、御在所ロープウエイによる菰野町50周年記念の、町民ご招待事業の寄贈式が、4月24日役場庁舎で行われました。訪れた池田信政社長(写真左)から「地元で育てていただいた企業として、何か地域に貢献したいと企画しました。鈴鹿の山の豊かな自然をより知っていただく機会にご利用ください」とあいさつがあり、目録が手渡されました。


ロープウエイから町民ご招待の目録贈呈