菰野にまつわる唄が集まった「ふるさと唄まつり」

 菰野町50周年を記念して、郷土の唄を集めた「ふるさと唄まつり」が、9月10日に町民センターホールで開催され、午前、午後の部とも大入り満員となりました。
 これまでに発表された菰野町にちなんだ唄は約40曲あります。ここではこの日披露された曲を中心にご紹介します。

第一部 ポピュラーソング
 和太鼓とギターの迫力ある即興演奏で始まった舞台は、まずポピュラーソングの部でした。ここで紹介されたのは「菰野賛歌」のほかは、これまで幾度か菰野町でも演奏会を行い、平成10年の「菰野2000年祭」以来当町と関わりの深い、四日市市出身のギタリスト中村ヨシミツさんによる曲でした。この部では歌手の三原ミユキさん、西山琴恵さん、有田正人さん、和太鼓奏者の伊藤弘典さんが出演しました。
中村ヨシミツさん
中村ヨシミツさん
♪ 雄氏讃歌
作詞 佐々木一  作曲 中村ヨシミツ
 西暦1600年に菰野の地に土方雄氏が城を築いてから、西暦2000年で丁度400年。それを記念して行われた、菰野2000年祭(土方400年祭)のテーマソングです。江戸期の270年間一度も取り潰されることなく、連綿と続いてきた菰野土方藩の遺徳を、御在所岳とその城下の町の情景を織り込んでつくられたものです。郷土史家 佐々木 一さんの作詞で、自然に流れるように歌詞が出てきたそうです。

♪ 馬公子さん
作詞 佐々木一  作曲 中村ヨシミツ
 江戸時代の後期、菰野の藩財政が傾きかけたころ、その窮地を救ったのが、馬公子さん(土方数馬義法)でした。側室の子として生まれたため、藩主にはなれませんでしたが、藩主が幼少であったためそれを助け、藩の政務を執りました。質素倹約を勧め、粗末な木綿の衣を着て裸馬に乗り、領内に出ては百姓を激励して回ったと伝えられています。その馬公子さんがのどかで平和な城下を巡る様子を、ユーモラスにまたコミカルに謳ったのがこの曲です。

♪ 蛍と益子姫さま
作詞 鳳 葉月  作曲 中村ヨシミツ
 幕末のころ、京都から菰野藩最後の藩主、土方雄永のもとに嫁いできたのが、益子姫でした。この歌では、益子姫が鈴鹿の山に向かい、遥かな京に住む父母のことをしのばれたであろうと、嫁いでこられたときの心細い心境を想像して、蛍に愛惜の気持ちを込めて綴っています。詩吟の師範、宿野の橋本洋子さん(鳳 葉月さん)によって作詞されました。

♪ 八重姫桜
作詞 鳳 葉月  作曲 中村ヨシミツ
 菰野藩初代藩主土方雄氏の正室となった織田信長の孫、奈於の方(八重姫)が、「野良で働く女性が、木陰で乳飲み子に乳をやれるように」と植えられた山桜の木に、八重姫の思いをダブらせて作られた歌です。

♪ 羅漢さん
作詞 鳳 葉月  作曲 中村ヨシミツ
 今回初めての披露となりました。菰野町を代表する名跡竹成の五百羅漢は、幕末にぺリーが浦賀に来航したころに、竹成の照空上人の発願によって、桑名の石工、藤原長兵衛の一門が、15年の歳月を要してつくりました。その羅漢さんの情愛豊かなさまざま表情を、軽妙なタッチでコミカルに描いています。

♪ お菊挽歌
作詞 鳳 葉月  作曲 中村ヨシミツ
 この歌も、今回が初めての披露です。菰野の代表的な民話「お菊の池」の主人公、お菊の心情を綴ったものです。皿守りであるお菊が、皿を無くしたために、池に身を投げねばならなかった悲しい思いを、重厚に描いています。

♪ 風光る街こもの
作詞 長島 洋  補作 野村路子  作曲 中村ヨシミツ
 風光明媚で自然が豊かな菰野町を賛美して作られました。この歌を歌って、「いつまでもみんなで元気に過ごしていきたい」という願いが込められています。

♪ 菰野賛歌
作詞 北村 守  作曲 欠塚 勉  編曲 地下 滉
 昭和52年、菰野町20周年記念に町民から応募をうけてつくられたもので、菰野町の自然と風景を織り込みながら、明るく伸びやかに発展を続ける、福祉の充実と活力あふれる菰野町への願いを込めて歌い上げられています。
第一部に登場した皆さん
第一部に登場した皆さん。
左から伊藤弘典(太鼓)、有田正人(唄)、三原ミユキ(唄)、西山琴恵(唄)、中村ヨシミツ(ギター)
 
第二部 民謡の部
 第二部は民謡歌手二人によって、菰野にちなんだ民謡から「菰野節」「千種小唄」「湯の山音頭(初代)」「鵜の里音頭」が披露されました。また、昔からこの地方でもよく唄われた「伊勢音頭」や「桑名の殿様」、そして祝50周年の意味を込めて全国の民謡から「秋田船方節」「津軽アイヤ節」「南部俵積み唄」が披露されました。
♪ 菰野節
 昭和五年、当時の町長であった土井貞一氏が、地元に民謡がないのは寂しいと、町の宣伝の意味も兼ねてつくられたものです。菰野町本町出身の詩人森 春人が作詞、巌谷小波(童謡作家)が補作し、中山晋平が作曲してレコードもできました。

♪ (初代)湯の山音頭
 初代湯の山音頭は、昭和5年10月菰野節と同時に発表され、当時湯の山温泉か らの四季の眺めをおり込んだ唄を、鈴鹿市石薬師出身の歌人で国文学者の佐佐木信綱が作詞、長唄三味線方四世の杵屋佐吉作曲、編曲吉村武史で作られました。

♪ 鵜の里音頭
 平成10年、当時の公民館長と区長会が、鵜川原地区の盆踊り用として企画しました。広田恵美子作詞、作曲欠塚 勉、編曲諸岡啓市の各氏によって作られました。

♪ 千種小唄
 作詞は千種俳句会の会員横山至剛氏、地元の音楽愛好者岡本八倉雄氏の作曲で、昭和21年に作られた唄です。
第二部に登場した民謡歌手
第二部に登場した民謡歌手。
左から浅野裕子さんと中村仁美さん。
演奏には諸岡時次さん、藤本貞都さん、藤本貞子さん、藤本貞明さん、
藤和香寿代さん、中村勝之助さん、中村勝之二さん(以上三味線)、伊藤真山さん、
吉原忠山さん(以上尺八)、藤和香寿尚さん(太鼓)が参加しました。
 
第三部 演歌の部
 第三部は演歌の部で、地元にまつわる唄や菰野町に縁の深い歌手の皆さんが登場して、賑やかにそしてしっとりと聴かせました。
八汐亜矢子さん
デビュー40周年。
ますます円熟の輝きをみせる八汐亜矢子さん。
第三部に出演した歌手の皆さんと披露した曲名

菰野町芸術文化協会舞踏部会
第二部、第三部には菰野町芸術文化協会舞踊部会から
61人が参加して、藤間琴宏さんの振り付けで唄に合わせて
舞踊を披露し、舞台を盛り上げました。
また、川原町の堀内久一さんも曲に合わせて
威勢のいい太鼓を披露しました。
菰野町にまつわる唄
 
フィナーレ
 舞台の最後は出演者全員で湯の山音頭を披露しました。この曲は昭和35年に、当時世界一を誇った御在所ロープウエイの開設記念として、湯の山温泉の宣伝用に作られ、村田英雄、五月みどりでレコードになりました。今も町内各地の祭りや盆踊りなどでお馴染の曲です。
フィナーレ「湯の山音頭」
フィナーレはこの日の出演者全員で「湯の山音頭」を唄い、
踊りました。ホールの中にいながら、盆踊りの会場の中に
いるような気分が味わえる演出でした。