広報こものトップ >> 菰野の伝統食
菰野の伝統食菰野の伝統食

かしわ飯

かしわ飯

かしわ飯は村のご馳走
 かしわ飯は、菰野では味ご飯でかしわ(鶏肉)が入っているものを指していました。かしわが入っていないものは、単に味ご飯といっていました。昔は何か行事があると、村人が集まってかしわ飯を作りました。当時の様子を見てみましょう。
 昔から村では「ダイド」という共同作業が行われました。春は、彼岸の道普請、用水の溝さらい、溜池の湯上げなどダイドが多くありました。これが無事終わると、かしわ飯作りが始まります。まず年番は、ダイドに出た人数を数えて、一人前4合の米を用意します。そして畑でゴボウ、ニンジンを掘る人、油揚げと豆腐を買いに行く人、酒を用意する人、そして鶏小屋へ行きよく肥えた鶏を調達に行く人、それぞれ自分の得意の役目を選んですぐ走り出します。かしわ飯作りは誰も指示する人はいませんが、互いに目配せをして役目に就きます。かしわ飯が出来上がると、座敷に筵を敷いて、炊いた鍋をまるく囲み、お酒を酌み交わした後、かしわ飯をいただきます。

「はそり」という大鍋で作る
 かしわ飯の具は鶏肉と油揚げ、しめじ、ニンジン、それにゴボウを笹がけしたものが主な材料です。これをまずは別の鉄鍋で炊きます。ご飯の方は鉄の鍋でも「はそり」という、平たく鍔のない大鍋で炊きます。「はそり」の語源は、武士のかぶる陣笠の端が反りかえっている「端反笠」に似ていることに由来します。このはそりに磨いだ米を入れ、炊き上がったところで別の鍋で炊いた具を入れて、少し火を入れます。このときの火加減が「うまい」かそうでないかの分かれ目でした。現在は炊飯器で炊くので、このような火加減の微調整は不要でいつでもおいしく炊き上げることができます。しかしその味は、はそりで炊いたものにはかないません。

かしわ飯は家にある食材で作る伝統食です
 かしわ飯はたくさん食べても消化はよく、仕事をした後の会食にはもってこいのご馳走でした。昔の農家では材料のお米や野菜はどこにでもあり、肝心の鶏もどの家でも飼われていました。卵は病気になったときに、また急に来客があったときに、それを使って料理を作りました。餌はお米の屑米を食べさせていたので、あまり手間暇かけずに飼うことができました。 
現在もかしわ飯を作る家庭は多いと思います。鶏肉はお店で購入して準備しますが、他の具や味つけは各家庭ごとに異なり、作る人の腕の見せ所です。
 町内の宿泊施設では、このかしわ飯を元に、町内で採れる野菜をふんだんに使った炊き込みご飯「菰野かやく飯」を提供しています。

昭和55年菰野地区の様子
山の下草刈りのダイドの後、はそりを囲んで食事が始まります。
写真は昭和55年菰野地区の様子です。

 



All Rights Reserved.Copyright(c) Komono Town
各ページの記事、画像等の無断転載を禁じます。