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胡椒汁

胡椒汁を作る人
胡椒汁を作る人。胡椒汁を作るのは男性の役目でした(昭和51年)

胡椒汁
 今回は、菰野では葬式のときの料理として出される風習がある胡椒汁をご紹介します。

涙を流して故人を送りだす
 人生最後の儀式である葬儀は、その人の最後のお別れの式です。この日は、故人の生前の苦労に感謝し、皆で送り出す日でもあります。胡椒汁は、葬儀の際の料理の一品として作られます。
 胡椒汁はダシを取らず、ただのしょう油味の汁に胡椒をたっぷりと入れて作ります。地域によっては昆布などでダシを取ります。また、菰野の北部では、胡椒ではなく唐辛子を入れ、唐辛子汁としている地域もあります。
 胡椒汁を振る舞うことは、辛さのあまり思わず涙を流すから、といわれています。胡椒汁は苦楽を共にした故人を思い起こし、涙を流し泣くための薬となっています。

胡椒汁が提供される非時
 胡椒汁は、菰野あたりでは葬式の際の非時の一品として作られます。非時とは、葬式の際に会葬者に出す食事をいいます。菰野では特に葬式当日の昼食を指します。非時を取る場所を非時所といい、隣家や公会所などが、非時所となることが多いようです。
 非時の語源は、葬式の始まる前に葬儀の食事を取ることから、午前中の食事になり、これが平時にない(時に非ず)ことに起因するといわれています。また葬儀は不意に、思いもよらず急に起きる(時に非ず)ことによる、ともいわれています。

昭和51年の非時の膳
昭和51年の非時の膳

組が担う非時の準備
 喪家では、かまどで火を焚くことは禁じられていましたので、非時の準備は組内の他家に頼みました。ここで昭和51年に町内で実際に行われた非時の準備をご紹介します。
 組では、葬儀の通夜の席で、組頭が導師となり、お経を一同読誦礼拝後、組頭が座長となって、翌日の葬儀の役割を相談します。組の役割は、「野方」「非時方」となっていました。野方は、主として葬儀を担当し、棺、燈籠、六道の灯火、火葬の薪などを用意します。非時方は非時の担当で、喪家の主に会葬者の人数を聞き、食材や調理具の準備を行います。非時方には、ご飯を炊く役目の飯炊き、膳椀の用意する役目の椀方、「平」といわれる煮物の調理の役目がありました。



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