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町長雑感

一日一句

−菰野町を楽しむ一つの方法−

平成22年(2010年)の7月に俳人の松岡悠風さんが句帳の展示会をなさった際に、私を訪ねられ、まっさらの句帳を手渡されました。松岡さんは、戦地から引き揚げ日本の大地を踏んで以来、つまり昭和23年(1948年)からほぼ毎日作句を続けられているとのことで、「町長さんも俳句をなさってはいかがですか?」と勧めて頂きました。文化や芸術とは縁遠い人間ですのでいささか躊躇したものの、人生の大先輩であり、元菰野町俳句協会会長である松岡さんからのお言葉ということで、早速、俳句に挑戦してみることにしました。結果的に申し上げると、この時には3カ月ほど、ほぼ毎日俳句を捻り出していましたが、寒くなる頃には自然消滅となってしまいました。

 1年間ぐらいの空白期間の後、再び作句を試みようと思い立ち、平成24年(2012年)の年間目標として、365日「一日一句」を継続することに定め、再度作り始めました。その日以来、現在に至るまで、完全なる我流ですが(時折、現在の菰野町俳句協会会長である石井いさおさんに句集や雑誌を頂戴し、参考にすることはあります)、毎日作り続けており、1,350句ほどになりました。

 ご承知の通り俳句は五七五の17音からなる世界で最も短い形式と言われる表現方法で、その17音の中に季語を入れることが基本的な約束事です。作句をして面白いと思える瞬間は、切り詰めた言葉の連なりの中に自分の思いが程好く収まった時です。極小の中に思いを反映させることは、無駄な言葉を削ぎ落としていく作業であり、大げさな言い方をすれば、取捨選択や決断を迫られる過程でもあります。

 時には言葉が閃かないこともありますが、その際に大きな助けになるのが、四季折々に違った顔を持つ鈴鹿山脈や田園風景などに代表される菰野町の豊かな自然です。4年弱の間、毎日俳句を作ってみて感ずるのは、私に俳句を勧めた松岡さんは、忙しい中であっても、菰野町の自然を感じたり、身の回りを冷静に見渡すなどして、ゆったりした心持ちを大切にすることを伝えたかったのだと忖度しています。一日一句がどこまで続くかは分かりませんが、あまり堅苦しく考えずに自然体で継続しようと思います。

一日一句

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