広報こものトップ >> 町長雑感

町長雑感

日常生活支援における共助の精神

−地域の実情に応じた公共交通の仕組みづくり−

 前回、地域公共交通を例にあげながら、「公共」という概念の中には、「官」だけでなく「民」も含まれることを申し上げました。交通分野においての「民」とは、バスや鉄道、タクシーなどの事業者が想定される訳ですが、それだけでなく、全国を見渡してみると、特定非営利法人や地域住民によるボランティア団体なども地域福祉の観点から、その主体として活動し始めています。しかしながら、それらの地域福祉の観点からの活動は、鉄道やバス、タクシーなどの公共交通機関が存在しないあるいは存在していても相当不足している地域(=国が「公共交通空白地」と設定)においてしか基本的には認められていません。

 そんな中、町内の二つの区(大羽根園区と川北区)の皆さんが、買い物や診察などの日常生活のための移動手段を確保しようと動き始め、菰野町社会福祉協議会が、その取りまとめの役割を担うこととなりました。公共交通空白地でない地域にあっても、バスを3時間に1本しか走らせることが出来なかったり、タクシーを手配してもなかなか配車されなかったりと、日常生活に相当以上の不便を感ずる程度の地域は、全国に多数存在します。実際に、相当な不便を感じたことに端を発して、二つの区の皆さんが、共助の精神に基づいて取り組みを始めたのだと思います。この動きは、鉄道の運行本数、バスの利用者、タクシーの台数のいずれもが減少し、マイナスの方向に動く中で、唯一プラスの方向への動きという点で評価されるべきことであり、そこに新しい可能性を見出すべきだと考えます。
 
 紆余曲折の末、最終的には、過疎地ではなく、人口集中地区での公共交通空白地有償運送を全国で初めて認めて頂きました。ここで重要なことは、日常生活を支える社会資本に共助の精神が加わり、新たな公共空間を構築しようとしていることです。これは一朝一夕で出来るものではなく実践的試行を重ねながら、徐々に機能する仕組みを作り上げる類のものですので、自ずと時間がかかります。本事業は、このような漸進的なプロセスを踏まえなければならないが故に、価値があるのだと指摘出来ます。

 改めて、ご理解頂いた国の関係機関や民間事業者などの皆さんに感謝申し上げますとともに、少子高齢社会の諸課題を解決するために、より良い仕組みづくりを行って参ります。


町長雑感バックナンバー


All Rights Reserved.Copyright(c) Komono Town
各ページの記事、画像等の無断転載を禁じます。