第3回
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  蚕飼い @
 

かつての菰野町は、蚕(かいこ)を飼わない家は「駐在さんか神主さんか」と言われるくらい養蚕業の盛んな土地柄でした。蚕飼いは、春の桑の芽吹きと共にはじまり春蚕(はるこ)、夏蚕(なつこ)、秋蚕(あきこ)とよび、年間10回ほども飼われます。蚕の掃き立てに先立って、蚕を病気から守るため蚕室(さんしつ)の蚕具(さんぐ)の消毒を行って蚕を迎えます。掃き立ては種紙(蚕の卵を産みつけた紙)からかえった毛蚕(けご)に、よび出し桑を細く切って与え羽箒(はねほうき)でだいじに蚕座(こざ)の上に掃きおろし、箱に入れて、蚕室を保温してやります。蚕は1週間に1回桑を食べるのを休み、脱皮します。これを蚕が眠るといいます。蚕は4回脱皮して成長し、歳を5齢まで数えます。3齢までを稚蚕(ちさん)と呼び、この期間は温度、湿度、換気など飼育環境の良し悪しで蚕のできが、左右されやすく蚕飼いのいちばん難しいときです。4眠起きしたとき、つまり4度目の脱皮を終えたときをニワオキといい、これから蚕は4、5齢の壮蚕(そうさん)期に入ります。蚕の発育と共に蚕座を広げ、棚を立て増して、蚕箔(さんぱく)(蚕を飼育する浅い籠(かご))の数を増やしてやります。このころになると、家の中は蚕でいっぱいになり、人は蚕棚の下で寝ることもありました。

蚕棚に載せられた蚕箔の中の蚕 蚕室での作業の様子
蚕棚に載せられた蚕箔の中の蚕 蚕室での作業の様子