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町長雑感

こころの健康づくりの重要性

−精神疾患と自殺の関係−

 前回の拙稿では、血糖の数値を例にあげて、将来の身体的な健康増進のために健康診断の重要性について述べました。今回は、精神的な健康いわゆる「こころの健康づくり」について話題にしてみたいと思います。

 知人や友人などとうつ病や統合失調症などの精神疾患について話をすると、「私には関係ない」というような反応が返ってくることがほとんどです。確かに、発熱や腹痛などの身体的な病気とは異なり、また自覚症状が把握されにくいこともあり、一般的な病気として認識されているとは言いがたい現状です。しかしながら、日本国民の約40人に1人が精神科に入院または通院していると報告(注1)されており、日本の精神疾患の生涯有病率は24.2%であるとの試算もあるなど、精神疾患は誰もが罹患する可能性があります。

 日本全国の年間自殺者数はおよそ3万人(注3)と言われています。では、菰野町の自殺者数はどういう状況かと言いますと、5人(平成21年)、5人(平成22年)、6人(平成23年)、7人(平成24年)、11人(平成25年)(注4)となっており、増加傾向にあると言えます。皆さんはこの数字を知ってどのような印象を受けたでしょうか?あくまでも私の個人的な感覚でしかありませんが、10人を超えるというのは多いと感じました。自殺をしようとして命をとりとめた人の75%には精神障がいがあったと言及している研究結果(注5)があり、そのおよそ半分がうつ病であったと指摘しています。またうつ病患者の75%は医療機関で治療を受けていないという研究結果(注6)もありました。

 平成24年に自殺対策基本法に基づく国の自殺総合対策大綱が大幅に見直されました。自殺の原因は多岐にわたり、すべてを防ぐ特効薬はなかなか見当たりませんが、予防可能なものもあるととらえ、窓口相談などを活用して、基礎自治体が地道な取組を重ねていくことが重要であると思います。皆さんも精神疾患を特別視せずに、正しい知識を身に付ける中で、こころの健康づくりをして下さい。


(注1):厚生労働省 平成23年患者調査より
(注2):こころの健康についての疫学調査に関する研究分担研究報告書より
(注3)(注4):内閣府 地域における自殺の基礎資料より
(注5):「自殺の危険因子としての精神障害‐生命的危険因子の高い企図手段をもちいた自殺失敗者の診断学的検討」
(注6):「心の健康問題と対策基盤の実態に関する研究」より

こころの健康づくり講演会の様子
こころの健康づくり講演会の様子


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