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町長雑感

地域公共交通における公共とは何か

−縮小均衡では止まらない現状を打破するには−

地域公共交通における公共とは何か乗用車の普及(国内の保有台数の推移は、約230万台(昭和41年)→約6,050万台(平成27年))や少子高齢社会の本格的な到来により、鉄道(近鉄湯の山線菰野駅の一日平均乗降者数は、ピーク時の2,809人(昭和50年度)→1,537人(平成25年度))や路線バス、タクシーなどの利用者が、年々減少し、特に、人口密集地域である東京圏や名古屋圏などの都市部以外の地域では、その傾向が顕著になってきていることは、皆さんも体感的にご存知のことと思います。

 前号で、菰野町の路線バスも、利用者の減少により廃止されたことに触れましたが、そこで問題になってきたことは、地域における公共交通とは何を意味し、どのような主体がそれに関わるのかということです(三重県の補助金が打ち切られたことは、財政的な問題や関与が一過性に終わる新規事業の政治的パフォーマンスの問題など、行政の事業継続性について別の問題から考える必要はあります)。
 
 「公共」と名が付くのですから、それは国、都道府県、市町村などの行政の仕事だろうと思われるかもしれませんし、それはある意味で正しいと思います。しかし、行政だけが関与するものであれば、それは、地域公共交通ではなく、地域官営交通ということになります。少々言葉遊びになるかも知れませんが、「公」に対しては「私」が対となり、「官」に対しては「民」が対となる概念ですので、ここで問題としているのは、官か民かの次元ではありません。つまり、「公共」には官も民も含まれると言いますか、逆に、自らの役割を踏まえた上で、官と民とが連携することが重要であり、地域公共交通を維持していくためには、責務のある民間事業者が、一定の役割を果たすことが求められます。

 責務のある民間事業者は、これまで地域の運輸事業に関係してきた鉄道、バス、タクシーなどの会社が想定されますが、これに行政を加えたステークホルダーだけでは事業を実施する関係者の範疇であることから、従来の枠組みを乗り越えることはできないと思われます。そもそも利用者の減少によって、バス路線の廃止や鉄道の便数の削減、タクシー台数の減少というマイナス要因のみにてしか対応しなかった、いや、出来なかった枠組みでは、今後も縮減方向以外の対処は見出せない可能性が高いです。

 そこで次回では、現状の中でも積極的に取組を広げていこうとするプラス要因に焦点を当てて、今後の地域公共交通の方策について考えてみたいと思います。


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