田光区の相生橋周辺の桜。周辺には多比鹿(たびか)神社やグラウンドゴルフ場があり、
花見の季節には多くの人が集まり、憩いの場となっています。

ヤマザクラ
山間部に咲くヤマザクラ。一般的な桜より開花時期は若干早い傾向があります。

春の訪れを感じる季節の花

晩の冷え込みも少し和らぎ、日中の日差しも暖かくなってきたこの季節。新型コロナウイルス感染症の影響はまだ根強く残っていますが、そんな中でも春は必ずやってきます。暗くなりがちな世の中に、色を添える春の花。町内でも桜など春の花を楽しめるスポットはたくさんあります。今月号では、春の花々を楽しめる町内のスポットをご紹介したいと思います。春の陽気に誘われて、皆さんも出かけてみませんか。

開花日と満開日の基準

儚くも美しい桜の花を楽しむ

花見と言えば、ほとんどの方が思い浮かべる花は桜だと思います。桜は、開花してから散るまでの期間が約10日間ほどで、その期間の短さから儚いものの象徴として多くの和歌などに詠まれてきました。町内で見ることができる桜は、ソメイヨシノがほとんどですが、山間部ではヤマザクラと呼ばれる花々を初春に見ることができます。ヤマザクラは山々の中にピンク色の花を咲かせ、森の緑とのコントラストにより遠くからでもその彩りを楽しむことができます。

 花は散ってしまっても美しい桜を見た感動は一生ものといわれます。咲き始めから散り終えるまでさまざまな姿を見せる桜に想いを馳せながら眺めてみてはいかがでしょうか。

桜だけではない菰野町の花

野町の春を彩る花は桜だけではありません。そのひとつに「シデコブシ」があります。シデコブシは、低湿地に生育するモクレン科の植物で、花弁が11~20枚程度に分かれた花を咲かせる樹木です。福王山周辺や四日市市桜町周辺に生育しており、その中でも自然度が高く、多数自生している場所として国の天然記念物に指定されているのが「田光のシデコブシおよび湿地植物群落」です。ここでしか観察できない貴重な湿地植物の数々とともに100本余りのシデコブシが自生しており、例年3月25日ごろから4月初旬ごろまで花を咲かせます。花の見ごろは桜よりも約1週間ほど早く、満開の時には桜と同じように枝いっぱいに花を付けるため、花見を楽しめる大変美しい樹木です。

シデコブシの希少性に迫る

デコブシは、500万年~160万年前の時代には既に存在していたとされ、種子植物の中でも原始的な形態を留めている生きた化石と言われています。日本固有の植物であり、東海地方(愛知県・岐阜県・三重県)の一部にしか自生していません。菰野町周辺は生育地域の西限で、その中でも「田光のシデコブシおよび湿地植物群落」で確認できるシデコブシの花々の多くは、薄ピンク色をしています。他の地域で生育しているものに比べて色味が濃いため、ここでしか見ることができない大変珍しい色をしています。

 生育地が限られているシデコブシですが、特に近年、湿地の開発、土地造成、ゴルフ場建設などにより全国的な減少と絶滅が危惧されており、環境省によるレッドリストの準絶滅危惧の指定を受けています。そのため、「田光のシデコブシおよび湿地植物群落」でも、シデコブシと自生する湿地植物の保全活動を進めています。

自然保護と有効活用に励む

在は周辺道路などから観察できる「田光のシデコブシおよび湿地植物群落」ですが、以前は手付かずで雑草が生い茂り、どの樹木がシデコブシかもわからないような状態でした。シデコブシは主に湿地で生育する植物ですが、下草が多すぎると種子から次の世代が育たず、いずれ途絶えてしまいます。そのため、約15年ほど前から貴重な自然の資源を保全、活用しようと田光切畑老人クラブなどが中心となって毎年草刈りを行い、整備が進められるようになりました。草が生い茂りやすい晩夏に約10人ずつが6日間に分けて集まり、専門家の指導のもと草刈りを行い、シデコブシや湿地植物の保全に取り組んでいます。

 また、シデコブシの花が観察できる4月初旬には三重県民の森と連携して、毎年観察会を開催し、解説を行いながら参加者にシデコブシの花などを楽しんでもらっています。

町内各所のお花見スポット

を中心に町内で楽しめる春のお花見スポットをまとめました。感染症の影響で外に出づらかったり、人と集まることが敬遠されがちな昨今ですが、花々は例年と変わらず春を待ち、開花の時期に備えています。今年は感染症対策に留意して、行ったことがある場所でもそうでない場所でもぜひ訪れてみて、春の花々を楽しんでもらいたいと思います。

 春の訪れはもうすぐそこに。暖かで穏やかな春の季節はもうすぐそこまで来ています。

 
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