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特集 菰野の地で頂へ

LEAD&BOULDERING
菰野の地で頂(いただき)へ
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三重とこわか国体が中止に

本勢で史上最多58個のメダルを獲得する結果となった東京2020オリンピック。その興奮も冷めやらない中、今年は三重県で「三重とこわか国体・三重とこわか大会」の開催が予定されていました。

 国体は、国民体育大会の略称で昭和21年に京阪神地方で第1回大会が開催されて以来、毎年、各都道府県の持ち回りで開催している国内最大のスポーツの祭典です。三重県では昭和50年に第30回国民体育大会が開催され今年開催されれば46年ぶり2回目の開催となる予定でした。

 一部の競技では、今年の東京2020オリンピックに出場した選手も出場し、三重県にトップアスリートが集結する期待が寄せられていましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を考慮し、三重県が今年度の開催中止の意向を示しました。

注目のスポーツクライミング

野町での実施競技は、正式競技として「スポーツクライミング」、デモンストレーションスポーツとして「ディスクゴルフ」の開催が予定されていました。壁に取り付けられたホールドと呼ばれる突起物を使って作られたルートを登り、到達地点などを競うスポーツクライミング。今回、日本三大岩場とも言われる御在所岳の藤内壁を有することなどから、菰野町が名乗りをあげ、開催地に選ばれていました。

POINT01 クライミングの聖地
クライミングの聖地菰野町 POINT02 こちらも注目のスポーツ「ディスクゴルフ」
東京オリンピックで五輪種目に

ポーツクライミングは、自然の岩場で行うロッククライミングなどにルーツを持ち、その後、身体的な可能性を追及して「競技」として確立されました。競技の歴史はまだ浅く、1989年に開催されたワールドカップが最初の国際的な大会で、クライミング人口の多かったヨーロッパを中心に急速に発展し、1999年には現在と同じ形式での大会が開催されるようになりました。そして、世界で初めて五輪種目として採用されたのが東京2020オリンピック。現在は多くの世界大会で日本人選手が表彰台に立つ活躍もみせており、日本のクライミングシーンも大きなターニングポイントを迎えていると言われています。

 残念ながら国体は中止となってしまいましたが、今月号では、魅力あふれるスポーツクライミングについて特集してみたいと思います。

頼れるものは
安全確保のためのロープのみ
自らの体ひとつで
高みを目指す
ワントライでどこまで登れるか

際スポーツクライミング連盟が認定する公式の競技会ではスポーツクライミングは、「リード」、「ボルダリング」、「スピード」の3種目で競われています。国体ではその中でも「リード」と「ボルダリング」の2種目を行います。

ワントライでどこまで登れるか

 「リード」は、制限時間内に高さ12メートル以上の人工壁のどの地点まで登れるかを競います。選手は安全確保のため、支点にロープをかけながら登っていき、最高点の支点にロープを掛ければ「完登」となります。しかし、一度落下するとそこで競技は終了となり、再度トライすることはできません。同チームの2人が別々のルートを登り、2人の到達地点の高さで勝敗が決まります。

 一度きりのトライとなるため、多くの選手は一手でも高い地点に到達するよう渾身の力を込めて壁を登ります。高さ12メートル以上の反り立つ壁に挑むダイナミックなクライミングが見どころとなる競技です。

POINT03 オリンピックは3種目で競技
自らの体ひとつで高みを目指す
ワントライでどこまで登れるか
制限時間内は何度でも挑戦
制限時間内は何度でも挑戦

ルダリング競技はリード競技と違い、ロープなしで臨み、制限時間内ならば何度でも挑むことができます。高さ5メートル、幅6メートルの人工壁2基に極限まで難しく設定された合計4つの課題となるコースが設けられており、制限時間内にいかに多くの課題でゴールや途中に設定してある「ゾーン」まで到達できるかを競います。選手はルートを考えながら登り、トップ(最上部)のホールドを両手で保持することができればその課題は完登となります。チーム2人が左右それぞれの壁を攻略していき、競技内ではチーム内で攻略方法などを相談することもできます。

 ボルダリングの壁には、指先しかかからない小さなものから、両手でも抱えきれないホールドなどが設置されており、次のホールドには左右のどちらの足をかけるか、そのとき手はどこをつかむか、制限時間内に考えながら登らなければ攻略することはできません。また、登る壁は途中から手前に倒れこむオーバーハングになっていることが多く、頭脳と手足を上手に使いながら驚くような姿勢で、一つ一つ課題をクリアしていく選手を思わず応援したくなる競技です。

ボルダリング競技 ルール
知力も試されるスポーツ

ードとボルダリング、どちらも他の選手のクライミングを見ることは見た選手にとって大きなプラスになるため、自分が登る前に他の選手のクライミングを見ることができない「オンサイト方式」が採用されています。そのため、競技前の選手は隔離され、競技直前に数分だけルートを見る時間が与えられます。この時間を「オブザベーション」と言い、勝負を決する重要な時間となります。

 このオブザベーションの時間で選手らは初めて見る課題に対して、体の動きや手足を置く位置をイメージし、完登までのルートを想像します。課題によっては、手や足を置く位置がほんの数㌢違うだけで登ることができなくなり、登る技術が一流であってもルートの選択や手足の配置を誤れば完登できなくなってしまいます。スポーツクライミングは、頭も使って全身で挑むスポーツであると言えます。

ホールドの種類 無数にあるホールドのかたち。その中でもよく使われる主要なホールドをご紹介します。
How to climbing
気軽に楽しめるボルダリング

然の壁を登るロッククライミングに対して、主に人口の壁を登るスポーツクライミングは手軽に楽しめるスポーツとして注目されています。特にボルダリングは、室内で天候を気にする必要もなく、道具も必要最低限で済みます。シューズなどをレンタルできる施設も増えているため、男女問わず取り組める人気のスポーツになっています。普段全く運動しない方でも、気軽に全身を使って運動でき、日常的に使わない筋肉を使うためシェイプアップや柔軟性を高める効果も期待できます。

気軽に楽しめるボルダリング
多種多様な難易度に挑戦

軽に取り組める一方で、ホールドの設置位置や種類、壁面の傾斜によって難易度は大きく変化します。ホールドの位置はセッターと言われる専門家が難易度を考慮して設置し、壁面に関しても多くは、90度を超えてクライマーに向けて傾斜しています。中には壁面の傾斜が180度となる「ルーフ」と呼ばれるものまであり、その場合、クライマーは天井にぶら下がっているような体勢になって登っていきます。

POINT04 応援のかけ声は「ガンバ!」
Items 使用する主な道具
完登という達成感のために
完登という達成感のために

術や知識を応用してクリアできる課題を増やしていくことがスポーツクライミングの醍醐味でもあります。最初は諦めそうになる課題にも必死に思考をめぐらし、体の機能を最大限に使うことでゴールに近づいていく。最初は無理だと思っていた課題に何度もチャレンジし、完登できたときの達成感は何ものにも代え難いものがあります。

 町では7年前から三重県山岳連盟と協力して子どもたちを対象としたスポーツクライミングの体験会を実施し、完登の達成感や競技の楽しさを伝えてきました。体験してもらった子どもたちの表情は、高さに怯えたり、登れなくて悔しがったりとさまざまでしたが、多くの子どもたちは完登して満足げな表情を浮かべていました。今年の国体は中止となりましたが、国体に向けて行った数々の取り組みを汲んで、いつか菰野の地で頂を目指すクライマーが表れてくれることを願いたいと思います。

POINT05 延期の場合は令和9年に開催

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