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特集 黄金色の恵み GOLDEN HARVEST

黄金色の恵み
陽光を浴び黄金色(こがねいろ)に輝く田園
自然の恵みに感謝し
収穫に歓喜する秋
稲穂画像
秋の訪れ 黄金色の季節

面に広がる黄金色に染まった田んぼ。秋風に吹かれて揺れる稲穂は、町内各地で見ることができる秋の原風景です。
 古くから農業のまちとして発展してきた菰野町は、現在も町域の約18%を農地が占め、米や小麦をはじめとして大豆や白菜、さといも、ねぎといったさまざまな農作物を生産しています。
 今月号では、「黄金色」をテーマに菰野町が誇る地元米や新たに商品化を果たした特産品についてご紹介したいと思います。秋の日差しをたっぷりと浴びて黄金色に輝く特産品の数々を少しでも味わってみたいと思っていただければ幸いです。

鈴鹿山系の水に育まれる稲

内の農地の中でも水田は約86%を占め、その水田で生産される水稲は約4150トンにもなります。
 町内では、年によって生産する作物を水稲、小麦、大豆と変える2年3作のブロックローテーションを行っている農地がほとんどで、水稲は4月末から5月中旬にかけて田植えが行われています。農作業全般の機械化が進んだことで負担は軽減されているとは言え、広大な水田に田植えをすることは大変な重労働で、現在でも家族や親戚、近隣住民など総出で田植え作業を行っている生産者も多くあります。
 稲が育つ環境には、きれいな水が不可欠であり、鈴鹿山系からの豊富な水に恵まれた菰野町は稲作に適した土地であると言えます。夏の間に強い日差しを浴びて稲は大きく伸び、初秋には黄金色の稲穂を実らせます。稲刈りは、主に8月から9月にかけて行われています。

菰野町作物別作付面積
菰野町稲作カレンダー
菰野町稲作カレンダー
蘇る伝統の菰野米
特集 黄金色の恵み GOLDEN HARVEST画像
三重県が誇る3品種の地元米

シヒカリやキヌヒカリ、ミルキークイーンといった全国的に主要な品種に加え、県内固有の品種である「みえのゆめ」なども含めて町内で生産されている米の品種は数多くあります。
 米の品種が多様である一因は、幕末から明治期にかけて一株でたくさんの米がとれる効率的な品種を発見しようと各地で開発が進められていたからです。そのような中、三重県で発見された品種が「関取」、「伊勢錦」、「竹成」です。これら3品種は「伊勢の三穂(みつほ)」と呼ばれ、当時は収量や育てやすさの観点から大きく注目を浴びていた品種でした。中でも、特に菰野町に縁のある品種が「関取」と「竹成」です。

風に強く倒れにくかった関取

取は、嘉永元年(1848年)に中菰野の佐々木惣吉(そうきち)が当時の品種の中から変種を発見したことからはじまります。その変種は、米粒は小粒でしたが数が多く、色は青みを帯び、粒の皮が薄かったことが特徴としてみられました。また、稲の背丈は高いが風に強く、めったに倒れなかったことから「関取」と名づけられました。当時は、小粒で米の形が良かったことから寿司のシャリとしてよく使われていたと言われ、明治40年(1907年)には全国で約6万ヘクタールの作付面積を誇りました。しかし、病気に弱かったことや小粒であった特性は収量増加につながらず、次第に生産量が減少していきました。

大量の結実が見込めた竹成

成の松岡直右衛門(なおえもん)は、竹成でも関取のような生産に適した品種を生み出せないかと画策していました。明治7年(1874年)、直右衛門が育てていた品種の中からひとつの穂に330粒も結実している変種を発見しました。その穂をもとに実験栽培を繰り返し、明治10年(1877年)、ついにその特性の定着に成功しました。これが「竹成」です。竹成は、茎が短く従来の品種に比べると多くの収量が見込めて品質も良かったことから明治20年代には伊勢、尾張地域に広まり、その後、東海地方一円にまで普及しました。明治40年(1907年)頃には栃木県や京都府まで広まりましたが、病気への耐性が弱かったため、大正期には急減しました。その後、「竹成」を母体とする品種が6品種ほど派生して全国各地に広まりました。
 しばらくの期間、関取と竹成はどちらの品種も生産者がおらず、過去の品種として忘れ去られていました。しかし、平成17年頃から町内の生産者の皆さんや関係者が力を合わせて町独自の品種を蘇らせようと取り組みを開始しました。現在も生産量が少なく、流通量が限られてはいますが、町内で生産され、日本酒の原料などとして使用されています。

蘇る伝統の菰野米
蘇る伝統の菰野米
関取と竹成
鈴鹿山脈を背に揺れる青みを帯びた関取の稲穂
町特産の品種を絶やさない

在、全国各地で育てられているコシヒカリなどと比べて関取や竹成は決して育てやすい品種ではありません。コシヒカリなどの品種はこれまで幾度となく品種改良が重ねられ、確実な収量が確保できるよう、病気にも強く、一株でたくさんの米粒がつくように作られています。それに比べて、関取や竹成はかつては収量が確保できる優良な品種としてもてはやされていましたが、現在ではどうしても生産性が劣ります。例えば関取とコシヒカリとを比較すると、関取は背丈が10センチほど高く育ち、風などの影響を受けやすい傾向があります。特に稲穂が実った時期は、稲の頭頂部が重くなり、倒れやすくなります。そのため、追肥などで多く稲穂をつけるよう期待すると刈り取りの時期にはその多くが倒れてしまいます。また、米粒が小粒であることから、同じ大きさの水田でもコシヒカリの半分程度の収量しか収穫することができません。
 これらの要因により現在、生産性の高いコシヒカリを生産する農家がほとんどで関取や竹成を生産する農家はごく一部しかいません。しかし、菰野町特産の品種を育てる生産者の皆さんは「二度と絶やしてはいけない」という想いのもと、苦労の末に蘇らせた品種にこだわりをもって生産を続けています。

もうひとつの地元米 三重県が誇る酒造好適米「神の穂」
田光産はちみつ
豊かな自然を育むための養蜂

❶たっぷりとはちみつが詰まった巣箱
❷木々に囲まれた場所に設置された巣箱からはちみつを採集
❸商品化のために新設した専用の作業場で瓶詰めやラベル貼りなど全て手作業で行っています

豊かな自然を育むための養蜂

金色の特産品はお米だけではありません。令和3年9月から販売を開始した「KOMONO田光はちみつ」。これは「菰野町みつばちプロジェクト」としてスタートしたはちみつ作りが念願の商品化を果たしたもので、今回100%田光産のはちみつができあがりました。
 田光区では、農作物の花粉の交配を行うために養蜂を行っていました。はじめはそれぞれがみつばちを飼う趣味程度の取り組みでしたが、豊かな森林を育むためにみつばちによる花粉の交配が効果的である点とみつばちが作り出すはちみつのおいしさに着眼し、田光産のはちみつを特産品にすることを目的とした「菰野町みつばちプロジェクト」を立ち上げました。純度の高いはちみつを作り出すためにみつばちの選定や知識の共有など試行錯誤を重ねながら活動を進め、現在は、田光区を中心とした6名の方で区内に設置した巣箱を管理しています。

田光の自然が育んだ芳醇な甘み
純度の高い田光産はちみつ

つばちは2キロメートルほどの距離を飛び回って花の蜜を集めるため、田光区の自然豊かな森の中に設置された巣箱を拠点にして純度の高い山の花の蜜を集めてきます。集められたはちみつは、不純物だけを取り除き、自然の状態のまま濃縮して瓶詰めされています。
 濃縮するための器材調達をはじめ、保健所の認可を得るなどの苦労の末、プロジェクトの3年目にようやく販売が実現した田光はちみつ。山と近い環境を生かして作られた純度の高い100%田光産のはちみつになっています。

KOMONO 田光はちみつ
菰野町産えごま油
希少な100%食用えごま油

❹ハウスで育ったエゴマの苗
❺わかば作業所の皆さんと生産者の方が協働でエゴマの植え付けを行う様子
❻60~100センチほどに育ったエゴマはシソに似た青々とした葉が茂り、白い小さな花をつけます

希少な100%食用えごま油

ゴマと聞いてすぐにピンとくる方は少ないかもしれませんが、吉沢区や田口新田区などでエゴマというシソ科の植物の栽培が行われています。エゴマは、日本をはじめとするアジアの寒冷地に多く生息する植物で、その種を搾って「えごま油」を精製することができます。
 町内でのエゴマ生産は「こものエゴマ普及会」の皆さんが各地で行っています。エゴマの苗の植え付けや刈り取りをわかば作業所の皆さんと協働で行うなど農福連携事業としても進められており、現在、町内約12アールで生産されています。エゴマの収穫時期は10月頃で、収穫したエゴマはふるいにかけられ、種を落とします。エゴマの種は小さく、種だけを選別する機械などもないため、完全に手作業で選別や洗浄といった作業を行っています。
 精製された菰野町産のえごま油は、生の種を圧搾しているため白濁せず、きれいな黄金色をしています。また、酸化防止剤などの添加物が一切入っていないため、希少な100%えごま油になっています。

天然素材のみで作られた健康的な油
健康食品として注目される油

年では、健康食品として注目されているえごま油。オリーブオイルやサラダ油と違い、魚からとれる「オメガ3脂肪酸」という油に分類されます。オメガ3脂肪酸は、血液を固まりにくくサラサラにする効果と中性脂肪の合成を抑える効果が期待できると言われており、皮膚の健康維持を助ける働きや、脳を活性化して認知症を予防する可能性があるとも言われています。
 今回の特集でご紹介した菰野町で育まれた「黄金色」の特産品。少しでも食べてみたいと思った方は、菰野町の自然の恵みを受けて豊かに育った味を、ぜひご自身で確かめてもらいたいと思います。
 食欲の秋。皆さんも菰野町の「黄金色の恵み」、味わってみませんか。

菰野町産食用えごま油

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