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特集 心に届く Words to deliver to you.

特集 心に届く Words to deliver to you.
聴覚障がいにともに向き合う

然に耳から入る日常の音や情報。周囲の人が歩いたときに発する足音、鈴鹿おろしの強い風に揺られてざわめく木々、家族からの何気ない電話、毎日防災ラジオから流れるおしらせ―――。日常生活では気付かないかもしれませんが、世の中にはありとあらゆる音があふれています。それらの音が障がいや加齢によって耳から入ってきづらくなった、あるいは全く入ってこなくなったら、あなたはどうしますか。

 聴こえないからわからない、聴こえないから話せない、聴こえないから伝えられない。音が聴こえないだけでたくさんの不自由が生まれ、人とのコミュニケーションが奪われてしまう可能性があります。今月号では、聴覚障がいや聴覚障がい者と向き合う団体の皆さんから聴いたお話をもとに、さまざまな手法で自分の想いを伝える皆さんの姿をご紹介します。

障害者差別解消法って何?
聴こえる程度もさまざま

覚障がい者と聞いて思い浮かべるコミュニケーションの方法は多くの方が「手話」であると思いますが、聴覚障がい者の聴こえる程度によって選択するコミュニケーションの手法が異なってきます。

 老化や音声言語を獲得した後に聴覚障がいとなった中途失聴者である方の多くは、音が全く聴こえないわけではありません。補聴器を使えば音を聴き取ることができるような方もいます。また、音声言語を獲得してから聴覚障がいとなった方は、発声による会話を行うことができる場合もあり、手話を用いなくとも簡単な会話や筆談を用いれば意思疎通を図ることができる場合もあります。一方で先天的に聴覚に障がいがある方や音声言語を獲得する以前に聴覚障がいとなった方は、主に手話でのコミュニケーションを行います。

 聴覚障がいの方にコミュニケーションをとりたい場合、まずは相手がどのようなコミュニケーションを望んでいるか、どのような手法ならばコミュニケーションをとれるのかを確認することが大切です。そして、相手が発する言葉や動きを逃さず、理解しようとする気持ちをもって接してみてください。

▲誰でも聴覚障がい者とコミュニケーションが図れるのは紙とペンを使って筆談を行う方法です。

CHECK1 デフサッカー
聴覚障がいの定義
聴覚障がいの種類
まずは相手を理解することから
How to use sign language 手話は会話のための言葉
方言にも似た地域性がある

声言語を獲得する前に聴覚障がいとなった方にとって欠かすことができないコミュニケーション手段である「手話」。手話は全国共通、もしくは世界共通と思われている方も多いと思いますが、手話にはさまざまなバリエーションがあり、手話を獲得した時期、教育歴、地域などによって特徴も異なってきます。一般的にろう学校を卒業した方は、独自の文法を持つ日本手話を使用することが多く、中途失聴者や普通学校で学んだ方は、日本語の文法に基本的に沿って手話単語を表していく日本語対応手話が好まれる傾向にあります。

 加えて、手話にも方言に似たような地域性があります。関東圏や関西圏で表す手話が異なる場合があり、生活環境によって生まれた独自の手話も存在しているため、相手によっては手話で話しかけても通じないといったケースもあります。全国共通の標準手話はありますが、日本各地で音声言語とは異なる独自の文法を持つ視覚的な言語として使われていることから、手話を使った会話においても相手のことを知り、お互いの理解を進めながらコミュニケーションを図っていくことが求められます。

聴覚障がい者の社会参加のために
地域ごとの手話の違い
CHECK2 指文字
体全てを使って手話を表現

話を伝えるのに用いるのは手の動きだけではありません。手話を的確に伝えるため、表情や口の動きなども非常に大切になってきます。

 手話でコミュニケーションを行う際、手話表現と合わせて伝えたい言葉の口形をはっきりと表し、状況に合った表情とともに伝えます。また、手話表現に強弱や緩急を加えて表現することもあります。例えば「雨」を表す場合、「小雨」「しとしと降る雨」「大雨」などを表現の変化で区別して伝えることができます。強さや深刻さを伝える際は特に大きく、表情や上半身の動きを使って表現します。感情のこもった手話表現は音や声がなくとも、手話が理解できなくても、伝わってくる熱量があります。

カンタンな手話を使ってみましょう!
「大雨」を手話で表現してもらいました。上半身の動きで雨の強さを表現しています。 ▲「大雨」を手話で表現してもらいました。上半身の動きで雨の強さを表現しています。
手話に対する理解を進める

話をするためのひとつの「言葉」や「言語」であると手話を捉えることもできます。ただし、全ての聴覚障がい者が手話を用いるわけではなく、日常的に手話を用いている方から、全く手話がわからない方、手話は理解できるが公の場では使いたくない方など、さまざまな方がいます。特に公の場で手話を使いたくないという方の背景には、手話が「ジェスチャー」として音声言語よりも下に見られていた時代や地域があったことが起因しています。そのような時代や地域では、ろう学校でも手話を公的に教えることはせず、人目につかないよう隠れて手話でやり取りを行っていたこともあったようです。

 現在のろう学校では手話を使った授業が進められていますが、普通学校に通う聴覚障がい児は手話を学ぶ機会が少ない傾向にあります。引き続き社会全体で手話に対する理解を進め、聴覚障がいがある方にもやさしい社会を引き続き形成していく必要があります。

手話サークル 手の会・オレンジの会
手話だけではない
わかりやすく書き言葉に変換

えるための手段のひとつとして、聴覚障がいのある方に文字で伝えることを目的にした「要約筆記」という手法をご存知でしょうか。一般的に人が話す言葉は1分間で300字~500字と言われており、文字で記述していく場合の文字数は1分間に50字程度、パソコンでタイピングしていく場合の文字数は1分間に80字程度が限度だと言われています。そのため、要約筆記者は単なる書き起こしではなく、不要な言葉を短くして話し言葉を書き言葉に変換していきます。

 要約筆記は、これまでも講演会に聴覚障がい者が参加する際などに役立っており、視覚を通じて伝えることができる手法として活用できる場面が増えています。

要約筆記を知ってほしい
講演者が話す内容を要約しながらパソコンに打ち込み、サブスクリーンにその内容を映し出します。 ▲講演者が話す内容を要約しながらパソコンに打ち込み、サブスクリーンにその内容を映し出します。

手話サークルでも活動時はマスクではなく、マウスシールドやフェイスシールドを活用しています。 ▲手話サークルでも活動時はマスクではなく、マウスシールドやフェイスシールドを活用しています。
感染症により変わる生活

めて聴覚障がい者に接するとき、手話が使えなくてもはっきりとした口の形で文章や単語を短く切って伝えてみてください。聴覚障がいがある方は、話し手の口形、表情、文脈などから話を推測し、理解できる場合もあります。身振り手振りを加えるとさらに伝わりやすくなるかもしれません。しかし、「たばこ」と「たまご」など口の動きが似ている言葉や同音異義語は口の形だけでは区別がつかず、初めて聞く話や突然場面が変わると理解しづらくなるため、注意する必要があります。

 そして、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために日常的にマスクの着用が求められる社会になり、聴覚障がい者は大きく影響を受けています。先に紹介した手話でも顔の表情や口の動きなども含めてコミュニケーションをとるため、口元がマスクで隠れているだけで聴覚障がい者のやり取りは一変します。何気ない買い物でも、マスクで口元が見えないだけで店員とのやり取りがしづらくなります。やむを得ずマスクを外してとお願いし、怪訝な顔をされることも少なくありません。聴覚障がい者とコミュニケーションをとる際は、「補聴器をつけているから聴こえているだろう」と思い込まず、「聴こえていても聞き取れていないかも」「マスクで口元が見えていない」と考え、「声で話す」だけではなく「文字で書いて伝える」など視覚で伝える工夫をすることが一層必要になってきます。

CHECK3 AIで手話通訳
あいさつだけでもできると嬉しい
外見からはわからない障がい

覚障がい者は周囲の安全を確認するために白杖を持ち、下肢に障がいがある方は車いすに乗っているなど外見で障がいの有無を判断することができます。しかし、一般的に聴覚障がい者は外見上、健常者と何ら変わりはありません。耳に補聴器を付けていたとしても補聴器の小型化が進み、目立つことはほとんどなく、よく目を凝らさなければ確認できない場合も多いです。このように外見のみで判断することが難しいことから、聴覚障がいは第三者から障がいの有無や程度を判別することが難しい「見えない障がい」の一種ともされています。

 もし、あなたの近くで想いを伝えられず困っている障がい者と思われる方がいたら――――たとえ言っていることや手話がわからなくても、聴覚障がい者が発する表現はきっとあなたの心に届くはず。相手が表現することをよく見て、伝えたいことを理解する姿勢を自分も示せば、お互いの歩み寄りできっとコミュニケーションがとれると思います。

CHECK4 聴覚障がい者のために
電話リレーサービス令和3年7月1日START
きっと伝わるお互いの気持ち。

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