第31回
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嘉例踊りの様子
 

 嘉例踊りは、行列を組み、道楽を奏でながら歩く道行と、要所要所で踊る輪踊りの形があります。まず大太鼓を胸にかけ、それを打ち鳴らし、ほら貝を吹きながら踊り、それに笛が和し、鉦(しょう)をたたき歌と共に囃子(はやし)が入り踊り全体を盛りあげます。太鼓を激しく打ち鳴らすことが天に響いて雨神をよび、ほら貝は海に生まれてこれを吹けば水神を招くものと信じられてきました。歌あげの唄うテンポはゆるやかで優雅であり、これは中世の念仏踊りの影響が感じられます。吉沢嘉例踊りでは竿燈(かんとう)の先に三本の幣(ぬさ)をつけ、神の依代(よりしろ)としています。踊りの補助道具として大ウチワ、サッサイなどがあり、これらは踊りの場を浄(きよ)め払うためのものです。行列は高張提燈(たかはりちょうちん)を先頭に役人は紋付羽織袴で威儀を正します。

 踊り手の衣裳は、風流的な考えから美しく飾り、次第に意匠がこらされてきました。吉沢では頭に三つ巴の陣笠をかぶります。これは菰野藩主から頂戴したもので吉沢嘉例踊りの誇りでありました。紺の法被、股引き、わらじ履きは農民の労働着姿そのもので郷土色を失っていないのが特色です。そして歌あげ、笛方、鉦方などの衣裳は見物する観衆の目を楽しませるために、花笠や編笠をかぶり、派手な色柄の法被や長着を着ています。また、盛夏の盆踊りのときは、ユカタを着流しにして踊ります。

昔と現在の嘉例踊りの様子
昔と現在の嘉例踊りの様子
昔と現在の嘉例踊りの様子