郷土史・風俗第38回
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人々の暮らしと竹
 

竹細工 
 竹は私たちの生活になじみ深いもののひとつで早春に地中から首を出す筍は春を告げる食物、また香りの高い笹はちまきにしてよろこばれます。そして台所近辺を見まわしても箸(はし)をはじめザル、水柄杓(ひしゃく)、火吹竹に使われています。養蚕の桑つみ籠(かご)、飼育籠、茶つみ籠に製茶用のザルがあります。そして傘(かさ)に笠(かさ)、うちわに扇子、竹下駄に簾(すだれ)もそうです。
 子どもの遊具の凧(たこ)、竹馬、水鉄砲、笛、そして横笛、尺八も竹製です。魚を釣る釣竿も、海で使うものも川で使うものも竿に強弱があって作る方法に精細な技術が必要で、これを作る人を竿師(さおし)といいます。竹細工を作る職人を竹屋もしくは籠屋とよんでいます。竹屋の職人になるには、親方師匠について竹切り、竹割りにはじまり編み方の方法を五、六年修行して年があけると鋸(のこぎり)、鉈(なた)など道具一式を親方からもらい独立しました。

竹と文化
 中国では紙が発見されるまでは、竹を割ってそれに文字を書き、名刺も竹を使いこれを竹簡(ちくかん)といっていました。鉄砲が伝来するとその発火のもとの火縄(ひなわ)は竹をたたいて繊維として縄に加工し用いました。エジソンも電球のフィラメントに日本のマダケを利用しています。竹は南方型のものでインドでは竹ばかりで建てた家があるそうです。日本でも建築材料に用い、民家では、柱、梁などの主な骨組のほか藁葺き屋根の下地や天井には竹を編み、床も竹を並べたみざらの上に菰を敷いて住みました。そして中世に茶の湯が上流社会ではじまるとわび・さびを求めて竹の簡素な美しさから茶室にももっぱら竹を用いました。
 有名な桂離宮は、屋根裏窓、縁側、腰張など建築材料の半分が竹だそうです。
 また茶の湯の道具として柄杓、茶筅(ちゃせん)、茶杓(ちゃしゃく)が竹でつくられています。茶の湯とともに盛んになった花道の花を活ける花器に竹を細工した花筒が珍重されました。
 河川の堤防のふちにある藪は洪水の被害を守り、屋敷藪は地震のときは唯一の避難場所にもなりました。

箕(み)を編む竹屋
箕(み)を編む竹屋