第5回
 広報こものトップ >> 郷土史・風俗

バックナンバー

 

  桶作り
 

 桶は水をくみ、米をとぎ、食器を洗うなど、日常生活になくてはならない大切な用具で、手桶、井戸側(いどがわ)(注1)、洗桶、半切(はんきり)(寿司桶)、飯櫃(めしびつ)、漬物桶、味噌桶、茶樽、醤油樽、酒樽、風呂桶、たらい、角桶、肥桶、飼葉桶など家庭でも多くの種類が使われていました。

 桶の材料は、用途によって、杉、椹(さわら)、槙(まき)などが用いられ、桶の周りの板を側板(がわいた)(くれ)といいました。側板は材料となる丸太を切り、これを縦に鉈(なた)で割り、センで削り、定規を当てて台カンナで仕上げました。側板は続飯(そくい)(注2)で貼りつけ、竹釘でとめ、丸く組みました。これを外側から締めるものをタガといい、竹を割ってそれを組み、輪にして入れました。そこ板は規(ぶんまわし)(コンパス)で円を書き、、鋸でひき鉋で削りました。特に桶の水もれを防ぐコツは、底板の下端と側板とうまく組み合わせることでした。飯びつなどのご飯を入れるものは、木に香気の少ない椹を用い、通気性のよい柾目の側板を使いました。酒樽、醤油樽は飯びつとは反対の通気性の少ない板目の側板を使い、もれることを防ぎました。また酒樽は杉を使い、杉の持つ香気が酒の味をよくする効果がありました。

 桶にもおおよその規格があって、風呂桶は直径も高さも2尺4寸(約72.7cm)ときまっていました。桶屋は家の中で仕事をする居職(いしょく)と道具だけを持って家々を巡り、直して歩く出職(でしょく)がありました。桶屋のその技術を身に付けるために昔は、12歳くらいのころから親方のところへ弟子入りして修行し、5、6年で年期が明け、一人前の職人となりました。

(注1):井戸に土砂が落ちるのを防ぐために井戸周囲に設けられた囲い。
(注2):ご飯粒を練りつぶした、粘り気の強い糊


桶作りの様子
桶作りの様子