平成15年度当初予算として、総額206億4810万円が3月定例議会に提
案されました。長引く不況の中、厳しい財政環境が続いていますが、「福祉と
暮らし」「子育てや教育」そして「人に活力・街に魅力」があふれる町をめざしての
編成と、服部町長から提案の説明がありました。全体的な規模は平年ベースですが、
先に策定された公共施設整備計画を受けて、竹永小学校北校舎改
築のための設計や図書館等生涯学習関連複合施設の整備に向けた事前調査費用
などが盛り込まれています。
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◆全体概要〜服部町長提案説明より◆
長引く不況による地方税収の伸び悩み、
国の財政逼迫ひっぱくなどによる地方交付
税の減少など、財政環境は厳しい状況
に置かれています。平成15年度の予算
編成ではこのような限られた財源の中
で、五期目のスタートの年として、小
中学校の耐震化を含む大規模改修や建
替えなどの教育施設整備への着手、す
べての人が生きがいをもって暮らせる
ように、高齢者・障害者福祉サービスの
充実などを柱とした政策実現のため
の編成を行いました。
一般会計予算は、歳入歳出ともに、
100億3,000万円となり、前年
度当初予算と比較しますと、4.5%の増となりました。
これは、知的障害者等の事務の権限委譲や、障害者福祉
サービスが支援費支給制度に変わるこ
とによる増と、国民健康保険などの特
別会計への繰出金の増加によるもの、
また菰野地区コミュニティセンターや
菰野保育園、町営住宅の整備事業が本
格化することによるものです。
◆歳 入◆
歳入の項目別にそれぞれ対前年度比
で見てみると、町税全体では4.0%の減で、
特に町民税では3.6%の減、
固定資産税では、評価替えに伴う家屋
の価格の減により3.1%の減となっています。
譲与税、交付金関係では、全体と
しては1.7%の減で、中でも経済活動
の影響を強く受ける地方消費税交付金
については、16.7%の減となっています。
地方交付税は、地方団体に交付され
る国の総額では、7.5%の減とのこ
とですが、当町における昨年度の交
付実績等の推計から4.2%の減となっています。
また、町債は町の借金
でもありますが、施設等
の建設について、後々の
受益者となる方に、その
費用を公平に負担してい
ただくという意味も持つ
ものです。今回は特定財
源となる菰野地区コミュ
ニティセンター整備事業
債や住宅整備事業債他で、3億6,430万円を充
てるほか、個人住民税及
び法人事業税の恒久的減
税による減収額に対処するための減税
補てん債、また、国と地方の財源不足
に対処するため、地方負担分として基
準財政需要額の一部を振り替える措置
としての臨時財政対策債を、合わせて6億8,000万円計上しています。
なお、不足する財源を補うため、財
政調整基金から4億5,000万円を取り崩しています。
◆歳 出◆
歳出では限られた財源の中で、経費の一層の合理化・効率化・重点化を図りました。それぞれ対前年度比で見る
と、義務的経費は扶助費の増加に伴い、3.3%増の約41億9,900万円、消費的経費は維持補修費の増加に伴
い、1.8%増の約30億7,100万円となりました。
投資的経費では、菰野地区コミュニティセンターと町営住宅の建設が本格
化します。また、新たに竹永小学校北校舎改築事業に着手し、その設計費を
継続事業として、約14億9,000万円を見込み、前年度対比では、7.1%の増となっています。
ここからは歳出予算の主な内容について、第四次菰野町総合計画基本構想の「施策の大綱」に沿ってご説明します。
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法定外公共物等の譲与事業を2ヵ年
の継続事業として着手し、公共物の譲
与申請手続きを行い、町有地として財
産管理を行っていきます。また、市街
化区域の活性化を図るための街路事業
として、「大羽根駅前線」の測量設計
を昨年度に引き続き行います。さらに
三滝川河川敷の「いこいの広場」の整
備を、町の中心部における住民の安ら
ぐ空間の創出事業として継続して進め
ます。
また、14年度から継続事業として実
施している福村町営住宅建設事業で、24戸の町営住宅の整備を行います。次
に「中里東高原線」の延長については、
国道306号線からミルクロードまで
の測量設計、整備工事を進め、南部か
ら町中心部へのアクセス手段の早期改
善に努めます。その他、地元の意向を
踏まえながら、各地区道路の改良工事
等を行います。
平成14年度末において廃止になる生
活バス3路線については、自主運行バ
スの委託で現行の運行を確保し、将来
的な対応として、町内の公共交通体系
についての調査研究を行います。
また、各地区で大変ご協力をいただ
いています「資源物回収事業」は、快
適な生活環境向上のための資源循環型
社会の構築を目指して、引き続き取り
組んでいきます。さらに、「合併処理
浄化槽設置に対する助成」や「生ごみ
処理器具の購入費助成」についても、
継続して実施します。その他、焼却場
の焼却炉から出る排ガス高度処理対策
(ダイオキシン対策)については、抜
本的な対策は既に実施済みですが、そ
の内部のフィルターの取替補修を行
い、積極的に生活環境の改善を推進します。
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農業を取り巻く情勢はますます厳し
い状況下にあります。農業経営の安定
化を図るため、本年度も継続して「米
の生産調整対策事業」を行ないます。
また、生産基盤の整備を図るため、
「県単・町単土地改良事業」により、
農業用水・排水路の整備を行います。
さらに、引き続き「県営土地改良総
合整備事業」を実施し、地元からの要
望の実現に努めます。
その他、景観整備事業として「コス
モス広場」を継続して実施し、農業と
観光との相乗効果を図ります。
次に、観光ニーズに対応するため、
湯の山地域ふるさとづくり推進協議会
への参加や湯の山温泉街活性化対策と
して、「散策路整備事業」を本年度も
引き続き行なうとともに、新たに、湯
の山温泉空き店舗活用事業や湯の山ビ
ューポイントの再生事業に取り組み、
湯の山の景観再生に努めます。さらに、
町内外の方に「菰野の店」をもっとよ
く知っていただくためのP R や商店街
でのイベントの充実を図り、商店街を
はじめとする商業の活性化を推進して
いく事業に取り組んでいきます。
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住民の方々が、安心で幸せに、いき
いきと充実して暮らすことが出来るよ
う、福祉・保健・医療の連携を密にし
て各種事業を展開するとともに、福祉
巡回バスを本年度も引き続き運行さ
せ、「けやき」を拠点とした保健対策
事業を展開し、保健予防の積極的な推
進を図ります。
老人福祉施策では、菰野厚生病院及
び「けやき」で、身近で気軽に専門的
な相談を受けられる在宅介護支援のた
めの「在宅介護支援センター事業」や、
介護保険制度の対象外の方にホームヘ
ルパーを派遣する「ふれあいホームヘ
ルプサービス事業」、介護予防のため
の機能回復訓練を主とした「ふれあい
デイサービス事業」を引き続き行ない
ます。併せて、一人暮らしの老人宅に
は「配食サービス」を行うなど、きめ
細かい対応を継続して行います。
障害者福祉施策では、重度心身障害
者タクシー料金の助成について支給額
の増額を行い、通院や社会参加への機
会を支援します。また、在宅障害者の
方について、ホームヘルプやデイサー
ビスなどの在宅サービスを、利用者本
位のサービス提供を目的とする「支援
費支給制度」として開始すると共に、
入所施設や通所施設を利用する障害者
の方に対しても、積極的に取り組んで
いきます。また、精神障害者に対する
短期保護事業についても実施していきます。
地域医療体制の充実を推進するた
め、引き続き菰野厚生病院の病棟増築
整備に対して補助を行ないます。
子どもを育てる環境づくりの施策と
しては、けやき内の子育て支援センタ
ーと共に、医療機関での専門的な相談
窓口の設置による、「療育・子育て支
援センター事業」の充実を行います。
また、学童保育所を運営する地区放課
後児童クラブに対する運営補助を行な
う「放課後児童クラブ支援事業」が、
現場のニーズとして強く求められてい
ることから、本年も引き続き積極的に
推進します。
さらに老朽化が進んでいた菰野保育
園について、本年度に建替えを実施します。
消防行政については、既設の車庫が
国道をはさんでいることへの安全対策
などから、朝上分団第2 班の車庫を整
備すると共に、菰野分団第3 班の消防
ポンプ自動車1 台を更新し、非常備消
防力の強化育成と志気の高揚を図ります。
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21世紀の人づくりを目指して、町内
の小中学校に外国人英語指導員を派遣
し、子どもとのふれあいをとおして、
英語教育の充実と国際感覚を身につけ
る教育の推進を図ります。また、教室
面積の不足や耐震性能の低い竹永小学
校北校舎の実施設計に着手し、学校教
育施設の充実に努めていきます。
さらに、各小中学校の特色を生かし
た教育を推進するため、地域学習・環
境学習等の「総合的な学習」を取り入
れるとともに、「生徒の心の教育」を
重視して、「心の教育相談員」、設置事
業を行ない、いじめ・不登校対策に正
面から向かい合い、その発生を未然に
防ぎます。また、学校週5日制の実施
に伴い、学校・家庭・地域が連携して、
子どもの健全育成の力となれるような
講座を開催していきます。
グローバルな視野にたつ人材を育成
するため、国際交流活動の、JETプ
ログラムによる「外国青年招致事業」
を引き続き行い、外国青年との交流を
図ります。
また、図書館等生涯学習関連複合施
設の整備のための事前調査を行い、菰
野町にあった施設の整備を進めていき
ます。
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旧庁舎の跡地利用については、菰野
地区のコミュニテイセンターとして整
備を行い、より良い住民サービスのた
めの施設環境づくりを推進します。
また、「情報公開」に積極的に努め、
「自治振興事業」については、引き続
き地域の自主的・主体的な地域づくり
事業を推進するための補助を予算化し
て、コミュニティ活動を通じた、行政
とのパートナーシップの醸成に努めます。
更に、近年の多様化する住民ニーズ
のなかで、より質の高いきめ細やかな行政サービスの提供と、
ソフト面での充実強化を図ることにより、行財政運営に信頼を築くよう努めていきます。
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15年度の主要事業
★印は新規、○印は前年度からの継続
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◆総務費◆
★男女共同参画推進事業 42万
○ISO14001推進事業 167万
○防災機器等の整備 640万
○菰野地区コミュニティセンター整備 4億 460万
○法定外公共物等譲与事業 1,490万
★地域交通費 1,992万
・バス路線廃止に伴う代替バスの運行と新たな
公共交通体系の調査研究を行う
○住民基本台帳ネットワーク構築 360万
◆民生費◆
○国民健康保険特別会計繰出金 2億298万
○老人保健特別会計繰出金 1億9,138万
○ふれあいホームヘルプサービス 1,443万
○ふれあいデイサービス 1,608万
○配食サービス 992万
○福祉バス運営 1,806万
○介護保険特別会計繰出金 2億5,906万
○重度心身障害者タクシー料金助成 314万
★居宅生活支援費事業 5,120万
・在宅障害者のホームヘルプやデイサービス
などの在宅サービスを利用者本位にするた
めの支援費支給制度の導入
★施設訓練等支援費事業 1億2,943万
・入所施設や通所施設を利用する障害者本位の
サービスとするための支援費支給制度の導入
○地域子育て支援センター 758万
○放課後児童クラブ支援 781万
★菰野保育園建設事業 3億3,083万
◆衛生費◆
○施設整備補助 2,000万
・救急医療等の拡充のため菰野厚生病院の
施設整備へ補助
○保健対策事業 1億6,242万
・健康相談、健康教育、健康診断等の各種
保健サービス
○健康ウオーキング推進事業 56万
○合併処理浄化槽設置整備促進 1,008万
○焼却炉補修工事 4,514万
・ダイオキシン類を除去するためのバグフィ
ルターの交換等
★清掃事務所場内舗装整備 620万
★不燃物処理場駐車場整備 206万
★じん芥収集車購入 456万
○資源物回収事業 3,153万
○ふるさとの自然を守る地域活動 210万
◆農林水産業費◆
○コスモス広場 548万
○水田農業経営確立対策 3,800万
○県単土地改良(排水路改修) 1,520万
○町単土地改良(用排水路改修) 1,470万
○県営土地改良事業負担金 475万
○農業集落排水事業繰出 1億1,000万
・農村下水道の特別会計への繰出金
◆商工費◆
★商店街等活性化事業 250万
・菰野の店のPRや商店街でのイベント充実
○湯の街散策路整備 400万
○湯の山地域ふるさと推進事業 350万
★湯の山温泉空き店舗活用事業 50万
・温泉街の休廃業した店舗を利用して体験型店舗を
つくり温泉街に賑わいと周遊性の魅力を持たせる
◆土木費◆
○道路マスタープラン策定 600万
・町内道路網の計画的な整備プランの策定
○町単独道路整備 1億
○町道中里東高原線整備 1億2,161万
○地方特定河川等環境整備 1,100万
・役場新庁舎南側三滝川高水敷等の「いこいの広場」整備
★都市計画事業推進調査 300万
・シティセンターを中心とした地域の都市拠点としての
活用を整備する調査を行う
○町営住宅整備 2億8,275万
・福村町営住宅の建設
○公共下水道事業繰出金 4億5,000万
◆消防費◆
★はしご自動車整備 3,150万
・はしご自動車のオーバーホール
★消防団ポンプ自動車購入 1,700万
・菰野分団3班の車両更新
★消防団車庫建設 1,500万
・朝上分団2班の車庫・詰め所の整備
◆教育費◆
★ALT派遣委託事業 600万
・町内小・中学校に外国人英語指導員を派遣
★竹永小学校北校舎改築事業 3,200万
・校舎改築の実施設計委託を行う
★スクールセット購入 1,050万
・JISの改正により小・中学校の机、椅子の更新を行う
○いじめ・不登校対策 108万
○小・中学校施設整備 1,880万
○外国青年招致 513万
★図書館等生涯学習関連複合施設事前調査 500万
○文化財保護事業 75万
・竹成五百羅漢(県指定文化財)風化防止他
★公民館備品購入 505万
○大羽根運動公園夜間照明改修 300万
○青少年活動支援 230万
・学校5日制に伴う子どもの健全育成事業支援
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